FC2ブログ

緑青会(第六回日本画展)へ行く

 横浜から二駅目にある「みなとみらいギャラリー」で開催中の「緑青会」日本画展へ行った。京都造形芸術大学で学んだ人達のグループ展である。会場がゆったりとしている心地よいギャラリーで、駅の人混みを抜け、このギャラリーへ来るとホッとする。京都造形芸術大学は先日、旧友と「京おどり」「都おどり」を観にいったとき、偶然その会場のひとつとなったところで、久しぶりに大学の食堂でお茶を飲んで懐かしい思いをしたばかりであった。偶々、今年出版した本「花の賦」の表紙絵を描いてくれた友人が、毎年数点の日本画をこのギャラリーに出品するので見にいったのである。
 今回は「祇園の舞妓」「薔薇の寝覚め」「ガンダーラの仏頭」の三作を見ることができた。どれも雅やかで雄勁な力作であった。デッサンのたしかさは若い頃に描いた作品をむかし見て感心したが、そこに都雅ある色彩の洗練が加わり凜として落ち着いた風韻が滲みでている。彼は日本画はもとより、古今東西の絵画への貪婪な関心と絵画に留まらないひろい教養の持ち主である。若い時期にジョイスの「ダブリナーズ」を原書で読み、欧州の絵画を見てまわり、壮年期に印度等へ旅行した経験はさらにそれまでの時期に磨きをかけることに有益であったにちがいない。また居合道から空手まで手を染めた時代もあったらしいが、三十代の初期に出逢った頃はまずその腕の太さに驚いたものだ。銀座の酒場で岸田劉生なる画家について話の花を咲かせて、タクシーで上野のバー「琥珀」へ河岸を替えて飲んでいると、この友人の隣に劉生の息子さんが座っていたときには、驚き呆れて不思議な気に打たれたものであった。マリヤカラスの映画「歌に生き恋に生き」、そして三島由紀夫の「朱雀家の滅亡」なる戯曲を一緒に観劇したこともあった。またあれはいつの頃であったか、私が同人となっていた詩誌のサロンに誘ったときには、私の詩への的確なオマージュを捧げてくれたこともあったのだ。二度にわたる手術から立ち直った彼との肝胆相照らす関係は、かくして昭和から平成までの40年ほどに亘って続いてきた間柄となった。語り出したら切りがない男同士の付き合い話しはこの辺にして、同じ志を持った仲間を得た人間ほど幸福な者はいないだろう。彼の作品の外、美しい花の絵とめずらしい歌仙を絵にした二作品を掲載させて戴き、緑青会の発展と共に彼の画運を見守っていきたいものである。



DSC_0433_201807201013559bd.jpg DSC_0430_20180720101447403.jpg DSC_0416 - コピー DSC_0414 - コピー (2) DSC_0432_2018072010165891d.jpg DSC_0422 - コピー






 

プロフィール

masuryuu

Author:masuryuu
仮に「異邦人」としておく。あられもない空想から、科学的「真実」まで、詩、小説、歴史、哲学、政治、経済、趣味等、この世の人事、出来事、万般に、興味を寄せる者の総称とします。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード