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下町の花

 ああ、ついに、画像への取り込みは叶わなかった.・・・・。
途中まで、なんとか、その家の玄関まで、たどり着き、写真を写し、実行に移りはしたが、画像はご覧のとおり、存在はしなかった。
 所詮は、「夢の女」だったのだ。
 だが、それはなんと、可憐で、慎ましやかに美しく、その家の玄関の入口に佇んでいたことだろう。それが忽然として、消えてしまったのだ!
 ときどき、そんな女が、下町の路地裏から、でてくることがある。あの源氏の君が、みそめた夕顔のような・・・。

 心あてにそれかとぞみる白露の 光り添えたる夕顔の花

 ああ、あれもこれも、逝きし昔の面影にすぎないのか。去年の雪、いまいずこ・・・・。


         柳 橋

       日の出桟橋から
      大川をさかのぼり
      いくつか橋をくぐる

      西の方
      茫洋の夕陽は
      朱の曳いて青く

      東の川面は すでにくらし
      夕べの灯ともす 物干し台の白きもの
      懐かしき宴の廂
      その面影ひくく

      そのときスピーカーのこだま
      吉原通い・・・船宿の・・・と

      ああ 名残ばかりや まぼろしの柳橋
      吉原とは そもそも何の名前ぞ
      偽りの夢に惑い
      現に破壊せしものにことよせ
      石の堤とビルの底に沈みし 柳橋

      汝 浄閑寺の門をくぐり
      ひしめく墓の奥にしのびて
      その陰惨なる場末に佇ちて 泣けよ

      明治は はた
      昭和も また
      いずこにありと

      のぼり のぼりて
      橋の下 水はいよいよ冷たく
      河畔に群れる 水鳥の羽のみ眼潤す

       神田川は大川へそそぎ
      わずかな柳 風に吹かれて
      たゆたう 井筒 小松屋の 屋形船
      その橋のたもとに 子規の句ひとつ
      ー春の夜や 女見返る柳橋

                 詩集「海の賦」より


 
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masuryuu

Author:masuryuu
仮に「異邦人」としておく。あられもない空想から、科学的「真実」まで、詩、小説、歴史、哲学、政治、経済、趣味等、この世の人事、出来事、万般に、興味を寄せる者の総称とします。

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