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海の汚染

 隅田川でエイがかかった。海の底ではときおり見ていたあのエイの魚だ。団扇が砂をかぶって寝ているような、あのエイがだぼはぜを狙っていた釣り人を驚かした。タモなどなかったので、木刀で頭を叩いて獲ってやろうとしたが、逃げられてしまった。だがどうして隅田川に海の底にいるエイなんているのかと、ちとこちらも不思議に思った次第だよ。
 1月15日、NHKスペシャルの番組で、福島原発による海の汚染問題が取り上げられていたね。
去年の3月11日以来、海に流れた放射線の汚染がどの程度なのか気になっていた。原発の破壊により、東京ドームの35倍ぶん、これまでの世界の最量の10京ベクレルの放射線が、外部に飛散したというのだ。国は年間追加被ばく線量5ミリシー ベルト以上の地域に加え、1ミリ以上5ミリシーベルト未満の地域も国の責任で除染するとしたらしい。
 原発の沿岸20キロの水深13メートルで、0.15マイクロ・シーベルトの値が測られたという。これは海面の30倍の放射線量だそうだ。海に流れた放射線セシウムは海底の泥に沈んでいる。これを測ったところ、1キログラムあたり4520ベクレルであり、福島原発の直下の1万5000倍とのことだ。海に広がった放射線はまだら状に、平均2000ベクレル程度に海に滞留しているのが現状らしい。原発の20キロ圏内の魚の影響を調べた結果、メバルが2300、アイナメが1400ベクレル、海底に棲むゴカイが食べる泥に含まれる放射線量が、316ベクレル、ゴカイからは304ベクレルが検出されている。これらのゴカイを海底魚が餌にしている。逃げたエイもこうしたゴカイを食べいたのだろうか。「旦那、それは誤解ですよ」なんて言わないでちょうだいね。
 セシウムは筋肉を侵し100ミリで5%の確率でガンを引き起こし、ガンマ線も同じで皮膚に被害を与え人体を突き抜ける。ベータ線は内部被爆をもたらし、アルファ線はプルトニウムを長期にだし、肝臓や骨を破壊するそうだ。
 1月19日の朝日の朝刊に、人間さまの食事に含まれる放射線量が発表されていた。福島県では、3食で4.01ベクレル、関東地方では0.35ベクレル、西日本ではほとんで検出されなかったらしい。福島水準の食事を1年間食べた場合、内部被爆量は4月から適用の新基準の年間被爆量の限度の40分の1にとどまったらしい。 
 因みにベクレルとは、物質が放射線を「出す」量のことで、1秒間に1個の核分裂が起きて放射線が出る量が1ベクレルとのこと、例えば、新米で言うと200ベクレルから警戒領域となり、500ベクレルで出荷停止となる数量だ。検出方法は、数十家族を抽出してその家族が1日に取りこむセシウムの平均値ではなく、検出値を順に並べて真ん中に当たる中央値で分析しているそうだ。
 1963年から08年まで、米国、旧ソ連、中国の核実験による日本人の食卓に含まれていた年間被爆線量は、0.2ミリシーベルト(日本人平均)であり、セシウムによる被爆線量はこれを下回ったとのことだ。
 ところで、マイクロ・シーベルトやベクレルとかの用語がなかなか難しい。参考に注釈しておこうかね。
 ベクレルは、土や食べ物などに含まれている放射性物質が、放射線を出す能力(放射能)を表すときに使われる単位。放射性物質は放射線を出しながら別の物質へと変化していくのだが、1秒間に一つの原子核が壊れて放射線を放つと、それが1ベクレルという。
 シーベルトは、放射線が人体に及ぼす影響を示す単位で、放射線にはいくつか種類があってその種類や、放射線を受けた臓器、大人か子供かでも影響は異なる。ベクレルは放射線を出す側から見た量だが、シーベルトのほうは、受け手側の影響を反映している点がベクレルと違うそうだ。
 ベクレルからシーベルトに直すには、体内に入った放射性物質なら、その分布や排出などを反映するさまざまな「実効線量係数」が法令で定められているから、これを放射能濃度や飲食や呼吸を通して取り込んだ量にかければ計算できるということ。
 ミリとマイクロの違いは、ミリは千分の一。マイクロはさらにその千分の一なので、もとの百万分の一という意味だが、イメージでいうと、高さ3776メートルの富士山でいえば、千分の一は3・7メートル、百万分の一だと約4ミリ。日本一の山が指の先に乗る高さになるわだ。
 1時間あたり約0・05マイクロシーベルトなら、1マイクロシーベルトより、さらに百分の一レベルとなる。1日になおすと1・2マイクロシーベルト。年間量をミリで言えば0・438ミリシーベルト。発がんリスクが少し上がるという100ミリシーベルトの200分の1以下。屋内にいれば危険性はさらに下がることになる。なかなかめんどうだが、このへんのことは五感で感取不能な放射線量では、あいまいにはできないのだね。
 問題は海への汚染の拡大がどの程度かということだが、水中の測定器では海流にのって海底に溜まる。1キログラムあたり300ベクレルから380ベクレルだそうだ。これによる魚介類への影響であるが、銚子沖180キロメートルではこの3倍に増加し、汚染が広がっている状況らしい。局所的に集中するホットスポットができているが、潮流によって絶えず動く海の中では、放射線は広域的に拡大していると見られている。
 1986年に起きたロシアのチェルノブイリの原発事故では、いまもウクライナの放射線監視センターが調査をしているところだ。
 海だけではない。内陸の湖や沼沢地も注意が必要とのことで、群馬県の赤城大沼では、海底の泥の20センチに950ベクレル、プランクトンが296ベクレル、これらを餌にするワカサギでは、600ベクレルが検出されているという。こうした内陸における閉鎖性のセシウムが問題になるとのことだ。
 チェルノブイリの原発事故を凌ぐ今回の事故は、東京などの大都市圏への影響を考慮せざる得ない未曾有の規模である。例えば、関東に降った雨水は、江戸川や荒川に流れこみ、その河口で調査した結果、876ベクレルのホットスポットがあったという。
 海では塩分によって凝集した放射線は、1623ベクレルと河口の2倍が測定された。五感に感取不能の放射線は、事故後2年2ヶ月から10年に亘って漁業へ甚大な影響を残すとのことである。
 馴れない数字なんか、分かった顔してならべてみたけれどね。こんな数字よりもこらの事業を仕切っているところがもんだいだ。ほんとうに木刀であたまをひっぱたいてやりたくなるね。
 1月18日の朝日の朝刊によると、原発の運転期間を原則40年に、例外規定で最長60年にしたとのことだ。この延長の判断基準は、4月以降これまで安全性を確認してきた原子力安全・保安院を経済産業省から切り離し、職員500人、予算規模約500憶円でスタートする原子力安全庁で行うとのことだ。だがこれまでの原子力行政の経緯からみて、これにどれだけ信頼できるかの疑問が残るのは当然だろうね。
 「電力と国家」(佐高信)には、戦前からの電力産業をめぐる官と民の権力闘争の暗部が描かれていて、参考になったが、著者が幾度も口にする「独立自尊」「官」よりも「民」を尊しとする創立者の業績を讃える会場を、上野にある立派な官立施設をへいへいと使いながら、その新聞広告に○○大学の広告をデカデカと載せているご当局の神経に、関係者は忸怩たる感慨を覚えなかったのであろうか、とこちらも首を傾げざるえなかったことをここに余談として記しておこうかね。

(注:テレビからのメモに基づく報告のため、間違いがあるかも知れないことを、予めお断りしておきたい)




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仮に「異邦人」としておく。あられもない空想から、科学的「真実」まで、詩、小説、歴史、哲学、政治、経済、趣味等、この世の人事、出来事、万般に、興味を寄せる者の総称とします。

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