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詩三篇

       蜜の海

瑠璃色に赫く しめやかな曙


鴎は白く まだ空を飛んでいない

薔薇は蕾のまま 露にぬれて

岸辺の花々のむさぼる

夏の眠りを

蜂の羽音が解き放つ


蜜の海にとけた太陽

金色の波の汀に

仰向けに倒れし男ありて

剣を手に 握りしめり


ひそやかな 禁断の恋の 溺死体



     セブンティーン

目が しきりに 渇く

めちゃ 濡れたい


やたらに 水位がさがる

太陽に穴を あけたい


マジか おれは

他人の家など のぞかない


濡れぎぬだ

乾涸らびた おれの喉がキレる


関係のない関係をはらす

おれの 腸 に疼く 黒点をみろ


透明なビンの 蓋が跳び  

ポッン と冷水が

夏の檻を はじきとばす



      あかね雲

狂えるものがあるうちは幸せだ

ひとはただ わけもなく狂う


わけもなく狂えるひとは幸せだ

強風に身を持して


叫ばず吠えず泣きもしない

無明の人々に比べれば


生きそこね

死にそこねる

一隅の空


夏の日の

途方に暮れゆく

あかね雲

                (二00二年七月)




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masuryuu

Author:masuryuu
仮に「異邦人」としておく。あられもない空想から、科学的「真実」まで、詩、小説、歴史、哲学、政治、経済、趣味等、この世の人事、出来事、万般に、興味を寄せる者の総称とします。

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