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フランスの詩

 ここに二冊の本がある。安藤元雄と窪田般若によるフランスの詩を紹介した本である。安藤氏のは「フランス詩の散歩道」、窪田氏のは「ミラボー橋の下セーヌが流れ」と題されている。これにはそれぞれテープがあり、フランス語での朗読が録音されている。
 私はこの二冊の本とテープを愛しているのは、原語の詩の朗読があることは元よりだが、この二人を見知っていたからだ。安藤氏は私の招きで詩の講義を二日間して戴いたことがあり、窪田氏はある詩のサロンでお逢いしたからだ。
 しかし、詩を原語で聞く歓びにまさるものはない。窪田氏が訳したアポリネールの「ミラボー橋」はシャンソンにもなっているが、私は新宿のあるレストランで開かれた宴会の席でか、この詩を堀口大学の訳で朗読したことがある。
 この詩をここに、仏語の原詩とともに掲げておきたい。すでに一度ブログの「ぼくの恋愛論」で紹介したところですが。

    
ミラボー橋


ミラボー橋の下をセーヌ河が流れ
われらの恋が流れる
わたしは思い出す
悩みのあとには楽しみが来ると

日も暮れよ 鐘も鳴れ
月日は流れ わたしは残る

手と手をつなぎ 顔と顔を向け合おう
こうしていると
二人の腕の橋の下を
疲れたまなざしの無窮の時が流れる

日も暮れよ 鐘も鳴れ
月日は流れ わたしは残る

流れる水のように恋もまた死んでゆく
恋もまた死んでゆく
命ばかりが長く
希望ばかりが大きい

日も暮れよ 鐘も鳴れ
月日は流れ わたしは残る

日が去り 月がゆき
過ぎた時も
昔の恋も 二度とまた帰ってこない
ミラボー橋の下をセーヌ河が流れる

日も暮れよ 鐘も鳴れ
月日は流れ わたしは残る

 
LE PONT MIRABEAU

Sous le pont Mirabeau coule la Seine

Et Nos amours
         
Faut-il qu'il m'en souvienne

La joie venait toujours après la peine


Vienne la nuit sonne l'heure

Les jours s'en vont je demeure


Les mains dans les mains restons face à face

Tandis que sous

Le pont de nos bras passe

Des éternels regards l'onde si lasse
     

Vienne la nuit sonne l'heure

Les jours s'en vont je demeure


L'amour s'en va comme cette eau courante

L'amour s'en va

Comme la vie est lente

Et comme L'Espérance est violente


Vienne la nuit sonne l'heure

Les jours s'en vont je demeure


Passent les jours et passent les semaines

Ni temps passé

Ni les amours reviennent

Sous le pont Mirabeau coule la Seine


Vienne la nuit sonne l'heure

Les jours s'en vont je demeure

                      (Alcools;1913)



フランス詩(安藤) (1) 「フランス詩の散歩道」安藤元雄
 フランス詩(窪田) (1) 「ミラボー橋の下セーヌが流れ」窪田般若




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Author:masuryuu
仮に「異邦人」としておく。あられもない空想から、科学的「真実」まで、詩、小説、歴史、哲学、政治、経済、趣味等、この世の人事、出来事、万般に、興味を寄せる者の総称とします。

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