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テオ

 友達から贈られたマリー・ローランサンの「愛の手帖」の詩を何気なく読んでいた。そのうちに、私もつぎの詩を書いた。三週間ほど家にいた孫について、私の思いを綴っていた。


         テオの誕生日


テオよ 

おまえの穿いていた靴

大きな赤の星の飾りのある とても小さな青い靴

わたしのパソコンでは おまえがいつも笑っている

瞳は星が輝き 朱い口は天使とお話しをしているようだ

テオ おまえはパリに生まれた

私の娘とやさしいフランス人のあいだに産まれた テオよ

私はこの両の掌におまえを抱いた

おまえが泣き 笑い オムツを替えるのをみた

小さな五本の指が 私の指をにぎり

ふしぎそうに頬笑むのを。

ポンヌフの橋のうえから

一人の老人が

橋の下に流れるセーヌの河をながめている

流れ去った人と歳月の いくすじの水脈を

飽きることもなく いつまでも眺めている。

テオが大きくなったとき 私はもうこの世にはいない

だがおまえの穿いた靴 赤い星に飾られた青い靴は

この世に生きた印しとして

テオよ おまえの顔をいつまでも 思い出させるだろう

サンマルタン運河に うかぶ木の葉

明るい光に満ちた 白い雲

おまえの瞳に宿る 慈愛にみちた神さまの影のように。



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Author:masuryuu
仮に「異邦人」としておく。あられもない空想から、科学的「真実」まで、詩、小説、歴史、哲学、政治、経済、趣味等、この世の人事、出来事、万般に、興味を寄せる者の総称とします。

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