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日なたぼっこ

 今日は日曜、晴れた冬の日は暖かい。蔵とふたりで日なたぼっこをする。じっとしていると日差しは熱いくらいだ。蔵は甘えん坊で爪を立てて遊ぶ。歯でかまれるとほんとうに痛い。それで手は傷だらけ。痛いのをじっと我慢する。血がにじんでくる。これも蔵との愛の証なのだ。椅子にもたれて眠たくなるが、蔵はひとときもじっとしない。音に耳をたて眼は警戒心と好奇心で素早く動く。蔵と暮らしてから不眠でからだの調子が狂ってしまった。おまけに風邪まで引き込んでだるいくらいだ。おまえは主人になにもさせてくれない。このあいだおまえは隙をみてキーボードを踏んだ。それでパソコンが故障してしまった。もう机にのせるのはやめにしよう。お蔭で数千円の相談料の損害となった。ショップでは元気そのもののおまえだった。飛び上がって遊んでいた。だがまさかこんなに悪戯好きだったとは思わなかった。もう一匹パンダに似た毛色の奴がいた。そいつは生れは静岡だった。主人と同じだった。蔵は福岡生まれだ。それで気性が荒いのだ。おまえは叱られると腹をたてて部屋中を走りまわる。もしかしたら蔵は中国の福建省出身じゃないのか。おまえはお利口者の悪戯猫だ。音もなく枕のそばでおまえはねむる。時にちいさないびきをかく。そしてすすり泣くような声をあげる。真夜中に蒲団の中へ侵入してくる。ゴロゴロと喉を鳴らしてね。おまえの嬉しそうな声はじゃれ合いたいときの誘いなのだ。はじめは感謝のしるしに手を舐めてくれる。それが昂じてくると鋭い歯で手を咬みだす。またあるときは顔の近くの蒲団のうえにのる。いつ爪が顔にかかるかひやひやする主人を見下ろしながら。老い先みじかい主人のことなど、おまえは知ちゃいない。不意におまえは姿を消す。部屋の隅でおまえをさがす主人の老いぼれた姿をジッとみているのだ。主人はもう日なたぼっこでウトウトと寝ていた。おまえは赤い舌をだして主人をみているのだ。とうとう、おれの罠にはまってしまった憐れな老人がここに一人増えたと・・・・



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Author:masuryuu
仮に「異邦人」としておく。あられもない空想から、科学的「真実」まで、詩、小説、歴史、哲学、政治、経済、趣味等、この世の人事、出来事、万般に、興味を寄せる者の総称とします。

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