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コロナ症候群

 今時のコロナ禍による世界的なパンデミックは半年を越えている。世界戦争がなくなってから四分の三世紀が経つが、生命体内のこうした闘いの経験は近時ではめずらしい。新型コロナウイルスがもたらす社会的な諸々の症候を、取り敢えずコロナ症候群と総称し、これを整理して記録しておきたい。
 第一には人間の命に係わる大事として、三密の回避、マスク着用、手の消毒等の感染防止策によっている。いまのところこれらの励行が最大限の防止策とのことである。現在、都内の日毎の感染者は100人から200超。死者は現時点(国内)で1千人を超えた。他方、ワクチン開発は各国が鎬を削っており、この入手は競争にある。第二が感染者に歯止めがかからず拡大の一途をたどった場合、医療崩壊を食い止める措置が必要であろう。もし医療崩壊となれば家族はもとより社会全体、産業・経済の停滞に波及して国家の衰退に関わり、国家間の外交関係への悪影響が予想される。アメリカはすでに国連のWHOから撤退の意向を示し、外交の窓口の閉鎖にでている。核危機のレベルは最大との予報もある。
 今回のパンデミックでは、これまでの歴史にみない兆候とし、デジタル通信機器の利用が見逃せない。これはオフィス機能の見直しと相まって労働・産業環境を変える要因となるだろう。テレワーク、テレビ会議、オンラインテレビ放送等の外部の環境変化と同時に注意すべきなのは、内的な人間心理に及ぼす症候を蔑ろにできないことだ。人と人が親密なコミニケーションにより成立している社会が、これまでの人間的な交流を疎隔されることからストレスを蓄積させ、漸次に内的なる危機的症候を露呈させ、陰湿な犯罪を潜在させることが想像される。この内的な兆候は先述したデジタル通信機器の利用・促進と一体となり、コロナ症候群に更なる新展開をもたらす可能性がでてくるだろう。外出の自粛はネットによる消費を促進し、キャッシュレスは感染予防になるであろうが、既に巨大大手のネット通信販売のトラブルがNHKで報道されている。すなわち、不良商品の販売が多発し、返金が滞る事態が、アマゾン等の出品業者を含めた巨大システムに起きているとのことである。
 インターネットの世界はそれなりの専門的技術による管理ときめ細かい法整備が必須の領域であり、またすべての人々がこうした変化に即応する能力を所持しているわけではない。これを契機に時代が人間にとってよりよい方向へ変わることは望ましいことであり、一時も早いコロナの終息を願わないわけにはおかないが、現段階では、様々なコロナ症候群への注意を怠るべきではないだろう。インターネットが瞬時に空間を越えた通信を可能にしたとき、職場という人間集中の場所が改変される直感を抱いたことがあったが、帰属感の拡散が同時に意識に上ったことであった。コロナと同時に地方を襲った大雨の災害は、都市へ集中する日本人の意識を地方へ開いたことも銘記すべき症候であった。長期的にいえば、2020年のオリンピックの開催延期と都市の過密化への逆方向への国民意識の変化がコロナ症候群の最大のポイントになるのかも知れないが、これを敢えてスキップしたことをここに注記しておく。
 ともあれ、すでに作家の村上春樹が警鐘を鳴らしたように、ギスギスした社会の出現が予想されるからである。そこでは人間のこころは荒廃の兆候を見せ、ここに反転意識の濃密化の傾向さえ生れる可能性がないわけではないが、内的な人間の精神の危機と社会の混乱の到来は避けがたいものとなるだろう。これらが一杞憂であることを望むことはいうまでもない。






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仮に「異邦人」としておく。あられもない空想から、科学的「真実」まで、詩、小説、歴史、哲学、政治、経済、趣味等、この世の人事、出来事、万般に、興味を寄せる者の総称とします。

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